生活防衛資金を確保する前に投資はするな!【目安と準備方法も解説】
老後のお金が心配だから、今すぐ投資をしないと!
ちょっと待ってください!
ちゃんと生活防衛資金は確保したんですか?
資産形成に成功する人と失敗する人の違いのひとつは、生活防衛資金の有無です。生活防衛資金がないと、経済的なピンチに陥った時に立ち直ることができないかもしれません。
一方、生活防衛資金をきちんと準備しておくと不測の事態が起きてもメンタルが乱れず冷静にトラブルに対処しやすくなります。
そこで今回は、以下の4点を中心に解説します。
- 生活防衛資金とは?
- 生活防衛資金にありがちな勘違い
- 生活防衛資金の目安
- 生活防衛資金にまつわる実体験と注意点
この記事を読めば、資産の増減でメンタルが不安定になって判断を誤ってしまうリスクを減らせます。
生活防衛資金を確保して資産形成をスムーズに進めるのに役立つ書籍と無料で楽しめる映画も紹介します。
ぜひ最後まで読んで、お金の心配をしなくていい人の考え方を手に入れてください。
今さら聞けない生活防衛資金をサクッと解説
まずは、簡単に生活防衛資金とはどのようなお金なのかを知っておきましょう。
生活防衛資金とは簡単に言うと、経済的な非常事態に備えるためのお金のことです。
非常事態の例
- 体調不良で働けなくなる…
- 会社が倒産してしまう…
- 解雇されて収入が途絶えてしまう…
- 地震などの自然災害で経済が止まってしまう…
今日と同じ明日が続く保証などありません。新型コロナウイルスによって人と物の流れが遮断され、経済が止まってしまったことは記憶に新しいですよね。
各国の政府は国民が困窮してしまうのを防ぐために次々と支援策を打ち出してくれました。しかし、無限に支援できるわけではありません。
ツケは後々、増税という形で支払う羽目になります…。
生活防衛資金でこんな勘違いをしていませんか?
生活防衛資金を貯金だと勘違いしている人は少なくありません。生活防衛資金と貯金は完全に別物です。
なぜなら、生活防衛資金と貯金は目的が違うからです。
貯金は、将来起こるかもしれないライフイベントのためのお金です。
ライフイベントの例
- 結婚
- 出産
- 子供の教育費
- 老後の生活費
- 趣味や旅行
「貯金しているから生活防衛資金はいらない」と考えていると、どちらも中途半端になりかねません。
保険会社が絶対に教えてくれない貯蓄型保険の罠とは?【貯蓄は貯蓄!投資は投資!】でも詳しく解説しましたが、目的が違うものをセットにすると、うまくいかないことがお金の世界では珍しくありません。
親には「貯金しなさい」としか言われなかったわよっ!
時代が変わればルールも変わりますよ。
生活防衛資金の目安はいくら?【人によります】
経済的な非常事態に備えるための生活防衛資金の目安に絶対的な正解はありません。
なぜなら、生活防衛資金は生活費によって変わるからです。
生活防衛資金に含まれる支出
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
生活防衛資金は収入に左右されるわけではないので気をつけましょう。
例えば、年収400万円の人たちでも生活費が違えば、1年間の生活防衛資金はこれだけ違います。
生活費 | 生活防衛資金 | |
Aさん | 10万円 | 120万円 |
Bさん | 20万円 | 240万円 |
Cさん | 30万円 | 360万円 |
生活防衛資金って100万円あれば良いと思ってた…。
体格によって自分に合うシャツのサイズが違うように、生活防衛資金の目安も違いますよ!
生活費によって生活防衛資金の額は異なりますが、目安がないと「結局、いくら貯めればいいの?」と不安ですよね。
そこで生活防衛資金のモデルケースを2つ紹介するので、あなたの状況に応じてカスタマイズしてみてください。
- 子育てをしていない世帯
- 子育てをしている世帯
いずれも会社員の場合を想定しています。自営業者の場合は会社員の2〜3倍を目安にしてください。これは会社員と比べて公的な保障が薄いためです。
では、順番に解説します。
子育てをしていない世帯
子育てをしていない世帯は、生活防衛資金として3〜6ヶ月分の生活費を用意しておきましょう。
心もとないように感じるかもしれませんが、会社員であれば収入は安定しています。
しかも、自営業者のように「来月から仕事がない…」という事態に陥る可能性も低いため3〜6ヶ月分の生活費を用意しておけば生活防衛資金としては十分合格です。
もし会社が倒産したり、体調不良で働けなくなっても公的保険の手厚い保障があるのもポイントです。
手厚い保障の公的保険
- 会社が倒産したら、失業保険
- 体調不良で働けなくなったら、傷病手当金
子育てをしている世帯
子育てをしている世帯は、生活防衛資金として最低でも1年分の生活費を用意しておきましょう。
なお、子供の教育費用は生活防衛資金に含まず、貯金で準備しておきましょう。なぜなら、教育資金は将来ほぼ確実に必要になるからです。
ちなみに学資保険で子供の教育費を用意する人も少なくありませんが、おすすめしません。
学資保険をおすすめしない理由
- 元本割れのリスクがある
- 利回りが低い
保険の本来の目的は万が一の不幸に備えて、多くの人が少しずつお金を出し合って助け合うことです。
子どもが大きくなれば教育にお金がかかる確率は、万が一とは言えませんよね?
保険については下記の記事で詳しく説明しています。
教育資金を無理なく貯めて、お子さんが不確実な現代でたくましく生きていけるように学びの機会を与えたい人は参考にしてみてください。
【実体験】生活防衛資金を確保して私が感じた3つのメリット
ここでは実際に資産形成を始めて3年ほどで貯金0円の状況から資産を1,200万円にまで増やした私が感じた生活防衛資金を確保して感じたメリットを3つ紹介します。
- 精神が安定する
- お金が自然と増えるようになる
- 勝負どころでリスクをとれる
なお、私は生活費の1年分である約100万円を生活防衛資金として確保しました。
「生活費少なっ!」と思うかもしれませんが、ミニマリスト路線をひた走っているためです。
ミニマリストと資産形成については「究極の節約?金持ちミニマリストと貧乏ミニマリストの特徴を解説!」で詳しく解説しています。
では、ひとつずつ順番に解説します。
メリット①:精神が安定する
生活防衛資金を確保して感じたメリットの1つ目は、「精神が安定する」ことです。
精神安定剤としてのお金
- 会社が潰れても次の仕事を見つけるまで余裕がある
- 心身の不調で働けなくなっても、ゆっくり休める
- すぐに生活が破綻しないので向いてない仕事は辞められる
人生のために仕事があるのに、仕事のために自分の心に嘘をつき体にむち打ち嫌々働いている人は少なくありません。これは、生活費に困るのが怖いためです。
しかし、生活防衛資金があれば話は別です。
立ち直るための時間を確保できるからです。
「貧すれば鈍す」という言葉があるように、お金に余裕がないと適切な判断ができなくなります。
ブラック企業で働き続けたり、一発逆転を狙って詐欺まがいの投資案件に引っかかったり、MLMにハマったりと挙げればキリがありません。
メリット②:お金が自然と増えるようになる
生活防衛資金を確保して感じたメリットの2つ目は、「お金が自然と増えるようになる」ことです。
スピリチュアルのように感じるかもしれませんが、そうではありません。
生活防衛資金を準備するための最短ルートは支出の見直しです。
支出を見直す過程で自分の価値観がハッキリしていき、余計なものを買いにくくなり、お金が手元に残りやすくなります。
実は欲しくなかった物
- 高級腕時計
- 高級な革靴
- オーダーメイドのスーツ
当時は見栄を張っていたので、こういう物にお金を使い家計は火の車。しかし、自分の価値観と相談すると静かに暮らすほうが性に合っていることに気づきました。
ブランド品が悪いと言っているのではなく、本当は欲しくもないのに買っていたのが悪かったのです。
自分に合ったお金の使い道って意外と考えたことないニャン…。
メリット③:勝負どころでリスクをとれる
生活防衛資金を確保して感じたメリットの3つ目は、「勝負どころでリスクをとれる」ことです。
これは本当の話です…。
私は新型コロナウイルスが猛威を振るい多くの人が資産を投げ売りしている時に株式を買い集めていました。その結果、短期で資産を増やすことに成功。
もしも生活防衛資金を用意していなかったら、怖くてリスクをとれなかったでしょう。リスクをとるより、目の前の生活を守ることで精一杯だったはずです。
この時の私の戦略は、下記の記事で詳しく解説しているので「どうやってリスクをとればいいのかわからない…」と悩んでいる人はチェックしてみてください。
※リスクとリターンの記事の内部リンク
【実話】私はこうやって生活防衛資金を準備しました【高再現性】
ここでは、実際に私が生活防衛資金を準備した方法を4ステップに分けて紹介するので、参考にしてみてください。
- 生活防衛資金のための銀行口座を開設
- 大きな固定費の見直し
- 細かい支出の見直し
- 入金力アップ
順番に解説します。
ステップ①:生活防衛資金のための銀行口座を開設
まずは、生活防衛資金のための銀行口座を開設しましょう。
これは、生活防衛資金を生活費や貯金と同じ銀行口座で管理しようとすると、境界線がハッキリせず、目標に向かってどのくらい進んでいるのかが把握しにくくなるためです。
ちなみに私は銀行口座を5つほど持っており、以下のように使い分けています。
銀行口座の使い分け
- 貯金
- 生活防衛資金
- 金融投資
- 自己投資
- 遊び
着実に資産を増やすためには、お金の使い方を変えなくてはいけません。お金の使い方一つで、将来の明暗は大きく異なってしまいます。
ゲームで言えば、ステータスを強化できるポイントの割り振り方でキャラクターの特徴が決まるのと同じです。
※銀行口座の使い分けについての記事を書いて内部リンク
ステップ②:大きな固定費の見直し
生活防衛資金のための銀行口座を開設したら、次は大きな固定費を見直しました。つまり、毎月の固定費です。
なぜなら、毎月の固定費を見直すと、その後何もしなくても勝手に手元に残るお金が増えるためです。
毎月の固定費の例
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 保険
- 税金
給与を1万円増やそうと思うと、したくもない残業や休日出勤をしたり、出世競争で心身を消耗したりと大変ですよね。
さらに給与が増えても、社会保険料や所得税でいくらか引かれるのがネックですよね。違いますか?
しかし、固定費を見直して月1万円の節約に成功すると、浮いた1万円は全額あなたのものです。しかも、効果がずっと続くのも大きなメリットです。
固定費の見直しについては、下記の記事が参考になります。
無理せず幸せにお金が貯まる家計のヒントをギュッと詰め込んだので、ぜひチェックしてみてください。
ステップ③:細かい支出の見直し
大きな固定費を見直したら、細かい支出を見直しました。
大きな固定費の見直しほど家計に与えるインパクトはないものの、着実に支出を抑えることができて心が落ち着きました。
ところで、世界人口のわずか0.2%しかいないユダヤ人ですが、ノーベル賞歴代受賞者の少なくとも20%を占めると言われているのをご存じですか?
彼らにはお金にまつわるこんな格言があります。
重い財布は、心を軽くする
細かい支出を見直すことは、小さい一歩かもしれません。しかし、この小さな積み重ねがあなたの財布をずっしりと重くしてくれ、将来に対する金銭的な不安を和らげてくれます。
ただし、細かい支出の見直しにも良いものと悪いものがあるので注意が必要です。
良い節約と悪い節約について解説した記事を紹介しておきます。「節約して豊かになるつもりが、思ったほどお金が増えていない」という悲しいことにならないためにもチェックしてみてください。
ステップ④:入金力アップ
最後は、入金力アップです。
大きな固定費の見直しと細かい支出を見直して、手元に残るお金が増えたら、自分の力でお金を稼ぎ始めました。
といっても、アルバイトのような時間の切り売りではありません。
私が最初にやったことは、メルカリを使った不用品販売です。
メルカリで不用品販売をしようと思った理由は、次の3つです。
- 部屋も片付くし、お金も稼げる
- 会社の看板を使わずに、自分でお金を稼ぐ練習になる
- 元手がかからないので、ノーリスクで始められる
支出の見直しには即効性がありますが、限界があります。どれだけ頑張っても生活費を0にすることはできないからです。
一方、自分でお金を稼ぐ入金力には天井がありません。しかも事業として取り組めば税制面でも優遇され効率よくお金を手元に残すことができるのも魅力的です。
※後日、メルカリの記事を書いて内部リンク施策
生活防衛資金を準備する時の2つの注意点
生活防衛資金を準備することは大切ですが、気をつけないといけない点が2つあります。
このことを知らないと、お金が増えても幸福度は上がらず孤独と虚しさを感じる悲しい人生になりかねないので注意してください。
生活防衛資金を準備する時の注意点
- 悪い節約をしない
- 生活防衛資金を準備できても安心しない
ひとつずつ解説します。
注意点①:悪い節約をしない
生活防衛資金を1日でも早く準備したい気持ちに振り回されて、悪い節約をしないようにしましょう。
なぜなら、悪い節約は手間がかかる割に手元に残るお金はあまり増えなかったり、心身の健康を損なう恐れがあるからです。
悪い節約の例
- 1円でも安く買うために遠いところまで行く
- 最安値の格安SIMを選ぶために徹底的に調べる
- 真夏や真冬にエアコンを使わない
- 質素な食事しかしない
確実にお金が浮くからいいの!
今日という人生で一番若い日にふさわしい時間の使い方ですか?
やりすぎはバランスが悪いニャン。
注意点②:生活防衛資金を準備できても安心しない
生活防衛資金を準備できても安心しないようにしましょう。なぜなら、生活防衛資金で手に入るのは安全であって、安心ではないからです。
安心と安全の違い
- 安心:心の問題で永遠になくならない
- 安全:数字の問題で解決できることが多い
いくらお金が増えても心の問題は解決できないのね…。
生活がいきなり破綻しない安全と心の問題は切り離しましょう。
お金があれば全て解決ってわけじゃニャイのか…。
生活防衛資金を準備するのに役立つ本と映画【無料あり】
最後に、実際に読んだり見たりして人生が変わったと感じるほどの衝撃を受けた本と映画を紹介します。
知識の幅が人生でできる選択の幅と言っても過言ではありません。知らないことは選べないからです。
どれも「なぜもっと早くに出会ってなかったのか」と思うほど、人生も仕事もうまくいき始めたものなので、ぜひチェックしてみてください。
- お金の大学
- ほったらかし投資術
- 億男
ひとつずつ紹介します。
お金の大学
この本はYouTubeチャンネル登録者数232万人(2023年3月時点)を誇るリベラルアーツ大学の両学長が、誰でも資産5,000万円超の準富裕層になるための道筋をわかりやすく教えてくれる本です。
Amazonレビュー14,000件以上で評価は星5つ中の4.5と高評価。
20代で経済的自由を達成している超富裕層に位置する筆者がお金に困らない人生を送るための知識を行動ベースで落とし込む非常に内容の濃い本です。
といっても、難しい内容はそこまで多くありません。フルカラーで図解も多く、まるでゲームの攻略本を読むような感覚で楽しめます。
ほったらかし投資術
投資をする前に生活防衛資金を準備することは必須です。とはいえ、いざ投資を始めようと思うと「何に投資をすればいいのかわからない」と思い悩む人は少なくありません。
その結果、詐欺まがいの投資商品などに手を出してしまう人は後を絶ちません。
投資を始める前に、「ほったらかし投資術」を読んでおけば投資のプロと呼ばれる人たちがほったらかしているだけのインデックス投資をしている素人の前に敗れ去っていることに驚くでしょう。
億男
佐藤健さん演じる主人公がある日宝くじに当選することから物語が始まります。そこから人生が好転するかと思いきや、なんと親友役の高橋一生さんにお金を全て持っていかれてしまいます。
お金を取り戻すべく主人公は行動しますが、その過程で様々な人に出会い、多くの人がお金に心を奪われ、いつしか自分の価値観を見失っていることに気づきます。
お金を求めるあまり、人生で大切なものを見失い、「自分は一体何をしていたんだ…」と後悔しないためにも見ておきたい映画です。
億男を無料視聴できる動画配信サービス(VOD)
※本ページの情報は2023年3月時点のものです。
最新の配信状況は、公式サイトでご確認ください。
まとめ 資産形成の第一歩は生活防衛資金の準備から!焦らずコツコツ積み上げよう!
資産形成で投資は欠かせません。しかし、投資を始める前に生活防衛資金を準備しておかないと資産の増減でメンタルが不安定になり人生を楽しめません。
寝ても覚めても資産が気になるような生活は嫌ですよね?
まずは自分の生活の安全を確保しておくための生活防衛資金を生活費ベースで準備しておきましょう。
必要な金額は人によって違うので、この機会に一度自分の価値観と相談しつつ家計を見直してみてください。もしかしたら生きるハードルが下がるかもしれません。