知らないと損をする民間の介護保険の限界【介護保険は払い損】
たいし先生、私のお父さんが民間の介護保険に加入してるの。
もしかして、これって「いらない保険」なのかな?
こいんちゃん、そのとおりですよ!
年齢を重ねれば自分で身の回りのことをできなくなるかもしれないので介護は他人事ではありません。
公的保険だけでは不安ですし、老後の出費は痛いので民間の介護保険で備えておくべきですよね?
いいえ、民間の介護保険はいりません。そこで今回は以下の3つについて解説します。
- 介護保険の仕組み
- 民間の介護保険がいらない理由
- 介護費用を用意する現実的な方法
この記事を読めば介護保険の全体像をほぼ抑えられ、余計な支出に苦しめられるリスクが下がるでしょう。
さらに、この記事の最後には介護費用を用意するために役立つ無料で読める書籍も紹介します。ぜひ最後までお読みください。
今さら聞けない介護保険の仕組みをサクッと解説
介護保険は、公的保険のひとつで、介護にかかった費用の自己負担額が1〜3割負担で済む制度と覚えておきましょう。
健康保険の介護版ってイメージかしら?
その理解で問題ありませんよ!
理解を深めるために、介護保険を次の3つの視点から考えてみましょう。
- お金の流れ
- 保険料
- 財源
この3つを理解すれば、もうコスパの悪い民間の介護保険のセールストークにコロッとやられることはありません。ひとつずつ見ていきましょう。
お金の流れ
こいんちゃんが介護が必要になったと仮定して話を進めてみますね!
複雑な気分だけど、他人事じゃないしね…
介護が必要になった場合、次の流れで介護を受けることになります。
- 市区町村から要介護認定を受ける
- 介護サービス事業者のサービスを利用する
- 介護サービス事業者に費用の1〜3割を払う
- 介護サービス事業者は市区町村に介護サービス費用を請求する
- 市区町村は介護サービス費用の7〜9割を払う
病院で診てもらった時とほとんど同じ流れニャン!
健康保険とお金の流れに対する考え方は同じですが、年齢によって負担率が違うように、介護保険では私たちは次の2つに分類されます。
- 第1号被保険者:65歳以上
- 第2号被保険者:40〜64歳
第1号被保険者とは、介護保険料を納付しつつ、要介護認定されたら介護保険サービスを受けられる人たちです。一方、第2号被保険者は介護保険料を払って第1号被保険者を支える人たちのことです。
保険料の納付義務があるのに、65歳以上でないと介護保険サービスを受けられないなんてズルい!
第2号被保険者でも特定疾患のどれかに罹患した場合は介護保険サービスを利用できるんですよ!
厚生労働省 特定疾病の選定基準の考え方によると、特定疾病と判断される疾病は以下のとおりです。
- がん
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- など
あくまで珍しい事例なので、特例があることだけ覚えておけば大丈夫です。
保険料
続いて、介護保険料について見ていきましょう。
介護保険は次の2つのかけ算で決まります。
- 標準報酬月額
- 介護保険料率
日本年金機構 標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか?によると、標準報酬月額とは以下のとおりです。
毎年、7月1日現在で使用される事業所において、同日前3カ月間(4月、5月、6月、いずれも支払基礎日数17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上)に受けた報酬の総額をその期間の総月数で除して得た額を報酬月額として標準報酬月額を決定します。これを定時決定といい、その年の9月から翌年の8月まで使用します。
つまり、標準報酬月額は4〜6月の給与の平均です。
なお介護保険料率は加入している健康保険によって異なります。
ところで、介護保険って支払いに手続きが必要なの?
介護保険料の支払いは健康保険や厚生年金保険と同じく、給与から天引きされる源泉徴収です。特別な手続きは不要です。同様に、国民健康保険に加入している個人事業主やフリーランスの方も、国民健康保険料の中に介護納付金が含まれています。
財源
最後に、財源を見ていきましょう。
私たちが負担する金額が1〜3割なら、残りの7〜9割はどこから出ているのか?
厚生労働省の介護保険財政の仕組みによると、以下のとおりです。
厚生労働省 介護保険財政の仕組みをもとに作成
細かい数字は覚えられない…
保険料が50%、税金が50%と知っておくだけで十分ですよ!
税金の内訳についてもう少し踏み込んでみましょう。内訳は以下のとおりです。
- 国の税金:20%
- 都道府県の税金:12.5%
- 市町村の税金:12.5%
保険料だけでは全然足りニャイから国や自治体が出してくれてるニャン。
ところで、介護費用っていくらニャの?
厚生労働省の公的介護保険制度の現状と今後の役割(10P)によると、予算(案)ベースで、10.4兆円です。なお、食費や居住費などの自己負担は含まないので注意してください。
公的保険だけあって、予算のスケールが段違いね…
民間の介護保険がいらない3つ理由
介護保険の基礎を抑えたところで、民間の介護保険がいらない理由を解説します。
理由は大きく分けて次の3つです。
- 保険の原理原則に反している
- 民間の介護保険は割高になる傾向にある
- 変化の早い時代についていけない
順番に解説します。
理由①:保険の原理原則に反している
民間の介護保険がいらない理由の1つ目は「保険の原理原則に反している」からです。
保険の原理原則
滅多に起きないけど、一度起きてしまうと個人では背負いきれない経済的リスクを多くの人で分散して支え合う。
滅多にない不幸に出くわした時の備えよね!
保険金をもらう人が保険料を払う人より多いと破綻してしまうのが民間保険の特徴でしたね。
さて、年齢を重ねて「要介護認定されること」は滅多に起きないことでしょうか?
内閣府の平成30年版高齢社会白書(全体版)によると、平成27年度末で要介護者数は606.8万人となっており、第1号被保険者の17.9%を閉めています。
簡単に言うと、65歳以上のおよそ5人に1人が介護を必要としているのが現状です。
さらに内閣府の要介護別認定者数の推移を見てみると、今後もこの状態が続くことが予想されます。
内閣府 要介護度認定者数の推移(36P)
介護を必要とする人の数は右肩上がりで増えていますよね?
つまり保険金をもらう可能性のある人の数が増えているわけです。保険料を払う人の数も増えていれば問題ありませんが、日本は超少子高齢化社会で人口は減る一方です。
内閣府の将来推計人口でみる50年後の日本によると、日本の人口は次のグラフのように変化していきます。
内閣府 将来推計人口でみる50年後の日本
第2号被保険者(40〜64歳)はものすごい勢いで減っていきますが、第1号被保険者(65歳以上)は横ばいです。
社会全体で見ると介護は滅多に起きないこととは言えないでしょう。それどころか負担は増すばかりです。
介護費用と保険料の推移を見てみると、その伸び率には驚かされます。
厚生労働省 介護分野の最近の動向等について(6P)
まとめると、介護の総費用と65歳以上が支払う保険料は次のように膨らんでいます。
介護の総費用の変化
- 2000年度:3.6兆円
- 2015年度:9.8兆円
65歳以上が支払う保険料の変化
- 2000年:2,911円
- 2020年:5,869円
将来の人口推計と今までの介護費用と保険料の増加をセットで考えると、今後も保険料は増え続けるでしょう。
国ですら国民に負担を強いて支えている介護保険制度なのに、民間の保険会社が十分な保障を提供できると考えるのは無理筋です。
理由②:民間の介護保険は割高になる傾向にある
民間の介護保険がいらない理由の2つ目は「民間の介護保険は割高になる傾向にある」からです。
保険金をもらう人は増えていくのに、保険料を払う人が減っていく少子高齢化の日本で商売として介護保険を成立させるには次の2つの方法しかありません。
- 保険料を高くする
- 保障を薄くする
保険会社はボランティアではなく利益を求める営利企業です。利益が出ないようなら、撤退までします。
その証拠にコロナ保険は商品として成立しなくなり、販売停止になりました。
- 数百円の掛け金で受け取りが数万円のため加入者が殺到した
- 増え続けるコロナ感染者のため入院給付金の支払いが膨らんだ
- 生命保険会社はもうけである「基礎利益」が減少したため販売停止
国や自治体でさえ手を焼いていることには、民間企業は無力と思うくらいでちょうどいいですよ!
理由③:変化の早い時代についていけない
民間の介護保険がいらない理由の3つ目は「変化の早い時代についていけない」からです。
日本は超少子高齢化社会で介護が必要になる人が増えていく一方なのに、支える人は急速に減っていきます。
介護制度を維持するために国も必死です。
- 保険料を上げて、1人あたりの負担を増やす
- 社会保険の加入条件を緩くして、保険料を払う人を増やす
- 消費税を増やして、国民全体でカバーする
SNSでは毎回炎上している印象だわ…
人口が減っているのだから無理のない話です。
国も要介護者の増加に合わせて保険料を上げているのに、民間の介護保険だけがお手頃価格で手厚い保障を提供できるとは考えにくいでしょう。
民間の介護保険に加入しないと不安な人への5つのアドバイス
ここでは自分で65歳以降の介護リスクに備える5つのアドバイスを送ります。どれも実践的なので、無理なく効率的に介護費用を用意するのに役立つでしょう。
- 固定費を見直して毎月2万円を貯蓄しよう
- ドル建て資産を持ってインフレリスクに備えよう
- 生活習慣を整えて介護を必要としないようにしよう
- 収入アップで入金力を上げよう
- 甘い話に踊らされてお金を奪われないようにしよう
5つ全てを一度に実践する必要はありません。すぐには実践できないと感じるものもあるでしょう。可能だと思えるものを1つだけでも良いので試してみてください。
あなたは、多くの人が困っているお金の問題から一歩抜け出すことができます。
その①:固定費を見直して毎月2万円を貯蓄しよう
まずは、固定費を見直して毎月2万円を貯蓄しましょう。
なぜなら、仮に40歳から介護リスクに備えるすると毎月2万円貯蓄しておけば十分だからです。
公益社団法人 生命保険文化センターが発表している2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(170〜174P)を参考にすると、介護にかかる費用の目安が計算できます。
- 介護費用(一時的な費用の合計):平均74万円
- 介護費用(月額):平均8.3万円
- 介護期間:平均61.1ヶ月
- 総額:74万円 + 8.3万円 × 61.1ヶ月 = 約580万円
580万円!?
40歳から準備すれば間に合いますよ!
40歳から65歳まで毎月2万円を介護リスクに備えるために貯蓄した場合は、これだけの金額を確保できます。
2万円 × 12ヶ月 × 25年間 = 600万円
保険料と違って介護が必要なければ全額自由に使えるお金なのが大きなメリットです。そのまま老後資金にスライドしたり、資産運用に回して自分の年金を作ることもできるでしょう。
なお、毎月2万円の貯蓄は難しい!という人は
- 大きな固定費の見直し
- 小さな支出の見直し
をしてみましょう。
生活の満足度を落とすことなく支出を下げられるので、経済的な生きるハードルがグッと下がり自由を感じられます。詳しい方法も解説しているので、実践したい人は以下の記事を参考にしてください。
その②:ドル建て資産を持ってインフレリスクに備えよう
次に、ドル建て資産を持ってインフレリスクに備えましょう。
なぜなら、円が今の価値を維持している保証などないからです。
- 光熱費の高騰
- 食品の相次ぐ値上げ
- iPhoneの値上げ
などなど
物価が上昇していますが、裏を返せば「通貨の価値が目減りしている」とも言えます。実は、これがインフレの本質です。
2022年の急激な円安で円しか持っていない人は資産を削られ物価高に苦しんだはず。一方ドル建て資産を持っていた人の中にはノーダメージどころか資産を増やした人もいるでしょう。
でもドル建て資産ってどこで買えるの?
証券会社でS&P500(為替ヘッジなし)などの指数に連動しているインデックスファンドを買いましょう!
その③:生活習慣を整えて介護を必要としないようにしよう
介護リスクに対する一番の対策は、介護を必要としないように生活することです。介護リスクをゼロにすることはできません。しかし、自分の努力次第で介護リスクは下げられます。
- 栄養価の高い食事
- 十分な量の良質な睡眠
- 適度な運動
ものすごく地味ね…。何か画期的なサプリとかないの?
そんな甘い話に期待していたら、カモになるだけですよ…
その④:収入アップで入金力を上げよう
民間の介護保険はコスパが悪いので自分で備えるのが最適なのですが、収入が多いほどすばやく介護資金を貯められます。とはいえ、今の会社の昇給ペースに期待できない人もいるのではないでしょうか?
そこでオススメなのは、この方法です。
- 転職
- 副業
どちらもリスクがあるように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。
転職活動そのものはノーリスクです。むしろ自分の市場価値を客観的に判断できるので今後の方向性を見極められやすくなるでしょう。
副業も昔とは違いハードルが下がっています。ネット環境さえあれば、パソコンやスマホひとつで始められるものも多いので、この機会に検討してみましょう。
その⑤:甘い話に踊らされてお金を奪われないようにしよう
最後に気をつけたいのは、詐欺を始めとした「ぼったくり商品」にお金を奪われないようにすることです。
お金はあなたを自由にしてくれる一方、横からかすめとろうとする人も連れてくることがあります。
- 銀行
- 保険会社
- 証券会社
- 詐欺師
- FP(ファイナンシャルプランナー)
などなど
詐欺師はともかく、FPや銀行まで!?
残念ですが、FPの中には無料相談で人を集めて、手数料の高い割高な保険を販売して稼いでいる人たちがいます。
なお、銀行、保険会社、証券会社に関しては窓口に行ってはいけないという意味です。窓口にいる方たちは営業マン。彼らの仕事は高い手数料を稼ぐこと。あなたの資産を増やしたり守ることに本質的には無関心と言えます。
資産アップに役立つおすすめ書籍3選【無料あり】
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- いらない保険
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習慣化のコツさえ知ってしまえば、あなたは目標達成に必要な習慣を身につければいいだけです。意志の力や特別な才能は必要ありません。
この本を読んで「また3日坊主だった…。自分はなんて意思が弱いんだ…」と落ち込むことからおさらばしましょう。
ちなみにこの本はAmazonのAudible無料体験の対象です。無料期間中に聞いて解約すればお金はかかりません。ノーリスクで読めるのでぜひお試しください。
まとめ 民間の介護保険はいらない!適切な知識と行動で自衛しよう!
公的保険の介護保険だけでは不安だから、民間の介護保険も必要ですよね?
いいえ、介護リスクに備えるために民間の介護保険は不要です。
民間の保険は滅多にない不幸に出くわした時の備えです。少子高齢化が進む日本では介護は滅多に起きないことではありません。それでも商品として成立させるために民間の介護保険はコスパが悪くなりがちです。
つまり、自分で介護費用を用意する方が実はコスパが良いのです!
今回の記事で紹介した5つの方法の中から一番簡単だと感じることからやってみてください。
どんどん生活が楽になり、生きるハードルが低くなるでしょう。逆に何もしないと、どんどん生活が苦しくなり「何のために生きてるんだろう…」という状態に陥るかもしれません…。
ぜひはじめの一歩を踏み出してください!