WealthNavi(ウェルスナビ)の手数料は本当に高い?計算方法や割引についても紹介
本記事では、WealthNavi(ウェルスナビ)の手数料についてを余す事なく紹介し、その手数料が高いのか、安いのかについてを考えていきます。
「ウェルスナビに投資したいけど、手数料が引っかかっている」といったような方は、是非参考にしてみてください。
[目次]
自分の資産運用をロボアドバイザーが全自動で行ってくれる投資サービスの「WealthNavi(ウェルスナビ)」ですが、WealthNaviの手数料は預かり資産3,000万円までであれば年率1%、3,000万円を超える部分であれば年率0.5%に設定されています。
なお、他にも「信託報酬」と呼ばれる運用管理費用が年率0.11〜0.14%程かかるので、実際の所は1%の手数料にそれらが上乗せされます。
さて、ではこの年率1%という数字….果たして安いのでしょうか?高いのでしょうか?
結論から言うと、年率1%の手数料は数値的に見て決して安いと言える水準ではありません。
例えば、SBI証券のようなネット証券で自力で資産運用をするとすれば、わざわざ年率1%など支払わなくとも手数料率0.05%程度の水準で完結させる事が可能です。
出典:SBI証券
ですが、だからといって「WealthNaviの手数料がべらぼうに高く、支払うだけ無駄だ」とは一概に言えません。
WealthNaviによる「資産運用の完全自動化」という恩恵を受けられるのであれば、「1%の手数料でも安い」と捉える事もできるからです。
では、まずはWealthNaviの手数料に関する割引や特典などについて見ていきます。
WealthNaviでは、長期の資産運用によって手数料が割引される「長期割」といったプログラムが用意されています。
最大で0.90%まで手数料が割引される
この長期割は6ヶ月ごとに手数料の割引が拡大していく制度となっていますが、最大で0.90%まで手数料を引き下げする事が可能です。
上記の図のように、WealthNaviで一定基準を満たした長期の運用をすれば、最短で2.5年、遅くても5年でその手数料体系が0.9%に達します。
200万円以上なら割引率が2倍になる
長期割の割引幅における判定は、自身の運用金額によって異なります。
以下のように、「50万円以上~200万円未満」なら0.01%、「200万円以上」なら0.02%が割り引きされます。
長期割の適用事例
公式サイトを参考に、長期割の適用例を見ていきましょう。
例えば50万円を入金した後、半年が経過すると次の7ヶ月目から手数料が0.01%割引され、1%→0.99%になります。
その後、さらに150万円の運用資金を投入したとすれば、次の割引率は0.02%となるので、13ヶ月目以降は手数料が0.97%となります。
なお、WealthNaviでは自身の資産運用における税金を最適化する為の「DeTAX」と呼ばれる機能があります。
DeTAXを一言で言うと、「あなたの実質税負担を軽減する為の機能」であり、税金の最適化によって年間の手数料コストを下げる事が可能です。
DeTAXでは、保有銘柄の「含み損」を確定させて「利益」を相殺することにより、実際の運用によって生じる税負担を翌年以降に繰り延べる事ができます。
「WealthNavi for SBI証券」の運用手数料は1%ですが、多くの場合、「DeTAX」(デタックス)の機能により年間0.4~0.6%程度の負担減となるため、事実上のコストはそれよりも少ないものになるでしょう。
WealthNaviのCEOである柴山氏も上記のように発言していますが、仮にDeTAXによって年間のコスト負担軽減が実現すれば、年率1%の手数料が0.4〜0.6%まで下がる計算となります。
「そもそもWealthNaviの手数料ってどういう計算なの…?」
WealthNaviにおける一日分の手数料の計算式は以下の通りです。
- 計算日の預かり資産(現金を除く)×1%÷365×1.08(消費税)
上記の計算式で1日分の手数料を計算した後、1ヶ月分の手数料が合計されますが、合計した手数料の1円未満を切り捨てた金額が翌月に自分が支払いする手数料となります。※3,000万円を超える部分の手数料は、0.5%で計算されます。
では、以上を踏まえて、WealthNaviの手数料が高いのかについて考えていきましょう。
ロボアドバイザー「THEO(テオ)」と手数料を比較
WealthNaviの他にも、株式会社お金のデザインが運営する、「THEO(テオ)」といったロボアドバイザーサービスがあります。
このTHEOもWealthNaviと同様に、資産運用の方針や、値動きの変動によって変化したポートフォリオのバランスを調整する「リバランス」などを全て自動で行ってくれます。
THEOの手数料は基本的に年率1.0%に設定されていますが、自身の利用状況によって手数料体系が変化する「THEO Color Palette」といった新プログラムが導入されました。
上記の図のように、THEOの手数料は最大で0.65%まで下がるように設計されており、比較的WealthNaviよりもその手数料は低くなりやすくなっています。
また、THEOでも「THEO Tax Optimizer」と呼ばれる税金の自動最適化機能が導入されているので、実質の手数料コストは表面金額よりも更に安くなるでしょう。
表面的な数値を見ると、WealthNaviよりもTHEOの方が手数料の最大割引率は高いので、実際に投資する上で「とにかく手数料を下げて運用したい」と考える方は、THEOを選択するのも一つかもしれません。
資産運用を全自動で行えるメリットを考えると安い
「結局、WealthNaviの年率1%の手数料って高いの…?」
確かに数字だけを見ると割高な水準だと言えるのですが、その裏には「資産運用を完全に自動化してくれる」というベネフィットがあります。
WealthNaviでは資産配分の決定や投資対象の選定、入金、発注、積立までのフローを全て自動化してくれる上、リバランスや税金の最適化までもやってくれます。
一言でいうと、「手間を省く事ができる」に尽きます。
普段忙しい人にとって、これらのプロセスを自分でやるのは大変で面倒だと思ってしまうのではないでしょうか。
WealthNaviの年率1%が高いかどうかは、この「資産運用の自動化」の恩恵をどう見るかによって変わってくるでしょう。
「俺は自分の本業に着手したいんだ。だから、資産運用に手間をかけるくらいなら、金を払ってでも誰かに任せたいくらいだ。」
このような思考を持った方であれば、WealthNaviの1%の手数料も「安い」と捉えれるのではないでしょうか。
- WealthNaviの手数料は年率1%
- 長期割や税金の自動最適化などで実質の負担コストは更に下がる
- WealthNaviの手数料は自身の資産運用を自動化する為の手数料
以上がWealthNaviの手数料についてでしたが、この年間1%の手数料は「資産運用への手間を減らし、自分の時間を有意義に過ごす為の投資」だと思えば、案外高くないのではと考えられます。
もちろん、人によって様々な考え方があるでしょうし「年率1%も手数料を払うくらいなら、資産運用を自動化せずに自分で投資した方が良い」と考えるような人もいるかと思います。
そういった方であれば、SBI証券や楽天証券のようなネット証券を利用して自分で投資していく、といったスタイルがピッタリでしょう。
なので「自分がどのような運用スタイルを望んでいるのか」を認識した上で、WealthNaviを使うべきか、使うべきではないのかをまず考え、あなたにとって最適となる投資先を選定してみてください。
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